ネタバレ感想/実写版『白雪姫』の“公開タイミング”について語りたい

「星つなぎのエリオ」が公開された2025年夏、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はやっと実写版「白雪姫」を見ました。

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この記事はネタバレを含みます。

常に先頭を行くプリンセス:『白雪姫』

皆さんは「白雪姫」と聞くと、どのような姿を思い浮かべますか。私は、パークのパレードで、優雅に先頭を舞う彼女の姿が思い起こされます。ディズニー初の長編アニメーションというポジションから、いつも一番前で、私たちを夢の世界へと導いてくれる、そんな特別な存在だと思っています。

 

しかし、ディズニープリンセスの実写映画化が進む中、白雪姫はトップバッターをつとめるどころかかなり後発での実写化となりました。その間多くのディズニープリンセス作品が制作され、ディズニープリンセスをこの時代に実写化する意義とは?という根幹部分も徐々に見えてきました。

でもそれを提示する役割はやっぱり白雪姫が担うべきだったのでは?と思うんですよね。ただアニメーションから実写映画へフォーマットを移しただけでなく、ストーリーやキャラクターのコアを深掘りし、それを作品として落とし込む。そうしたLiveActionの在り方を高らかに歌い上げるとしたらやはり白雪姫であってほしかったです。

もし、この実写版『白雪姫』が、『マレフィセント』や『シンデレラ』といった作品よりも前に、数あるディズニープリンセス実写化の先駆けとして公開されていたなら、一体どのような評価を受けていたでしょうか。

きっと、今とは違う反響があったのではないかと私は感じます。
良くも悪くも固定的なイメージで語られがちなディズニーコンテンツの世界に、本作が提示する「プリンセス像」や大胆な物語の再解釈は、爽やかな新風として受け止められた可能性もあります。それこそ、歴史に名を刻む「実写化の意義を示す」先駆的な一作として、語り継がれる作品になっていたかもしれません。

ですが、現実はご存じの通りです。私たちは既に、様々なアプローチで描かれるプリンセスたちの物語に触れ、その魅力と驚きをたくさん経験してきました。だからこそ、私たち観客の目は肥え、期待の形も多様化しています。

その中で、本作が後発として打ち出したいくつかの試みは、必ずしも純粋な「新しさ」として歓迎されるばかりではなく、時に「ノイズ」として受け取られてしまう側面もあったように思います。そういう点がこの作品の惜しいところであり、難しい挑戦であったのではないでしょうか。

 

細かい感想/つっこみたいところ

王国のスケール感が小さい

王族がアップルパイを焼いて直接民衆にふるまったり、一人一人の名前を憶えていたりと、すごく小さい範囲で暮らしている感が微妙。途中から町内会のいざこざのような話に見えてしまった。

ヴィランとしての女王

実写トレメイン夫人とか実写マレフィセント見た後だとちょっともの足りないですね。何がしたいのかよく分からないし、多分女王本人もあまり分かってないんじゃないですか。国民が飢えてるのに、パン屋を徴兵して門番なんてやらせてるの為政能力がやばすぎると思う。あと最後はちゃんと高いところから落ちてほしい。落ちた高さがヴィランの格の高さ。

白雪姫

レイチェル・ゼグラーをもっと歌わせてほしかった。女王とのバチバチバトルデュエットとかないんですか??ねえ???

ジョナサン

別に王子で良くない?????百歩譲って山賊?狩人?にするとしてもそんな小ぎれいな恰好の山賊いる????あまりにもジョナサンの肌がつやつやだから、絶対ラストで「実は王子でーす!」って正体を明かすものだと思っていたらそんなことはなくて衝撃でした。

7人のこびと

アニメーション版と比べて出番は減り、タイトルからは消され…かわいそう。あと喋らないでほしかった。ハイホーの名曲っぷりを令和の世に知らしめたところだけはよかったです。

 

おまけ:『白雪姫』のストーリーを勝手に改変する

いろいろ書きましたが、とりあえず実写版のストーリーに納得がいかなかったのでジョナサンが隣国の王子でスパイとして潜入しているバージョンの「白雪姫」をAIと一緒に作ってみました。

あらすじ:

光の王国は、継母である女王によって闇に沈んだ。民のため王国を取り戻すことを願うプリンセス・白雪姫。だが、彼女が心を許した流浪の狩人こそ、王国侵略の密命を帯びた敵国の王子だった。「真実のリンゴ」が引き起こした悲劇を越え、彼女は愛と許しを胸に、玉座に座る真の女王となれるのか。

【登場人物】

  • 白雪姫: 優しさと純心さを併せ持つプリンセス。父の教えである「分かち合う心」を胸に抱くが、継母である女王の横暴ぶりが時にその心を曇らせる。

  • 女王: 美貌と「秩序」こそが力の源泉と信じる支配者。魔法の知識に長け、自らの力で王国を守ろうとする。

  • 王子ジョナサン: 北の大国の王子。身分を隠し「流浪の狩人」として王国に潜入するスパイ。白雪姫の純真さに触れ、使命と良心の間で激しく葛藤する。

  • 七人の小人たち: 女王に全てを奪われ、鉱山に追放された「レジスタンス」。元王宮騎士、賢者、鍛冶屋など、それぞれの専門知識を持つプロフェッショナル集団。

【ストーリー】

プロローグ:光の王国

物語は、先代の王が治める、光に満ちた王国の「収穫祭」から始まる。色とりどりの旗がはためき、民の笑い声が響き渡る。若き白雪姫は、祭りのご馳走が並ぶテーブルから自分の分のパンを手に取ると、物陰でうずくまる貧しい兄妹にそっと差し出す。「お食べなさい。お祭りは、皆で分かち合うためのものでしょう?」その光景を、父王が誇らしげに見つめている。この時、外国の使節団に混じっていた少年が、その光景を遠くから目に焼き付けていた。その少年こそ、若き日の王子ジョナサンであった。

第一幕:追放と反旗

父王が急逝し、白雪姫の継母が女王として玉座につくと、王国は一変する。女王は重税を課し、民から搾取し、その富で自らの美貌と軍備を維持した。かつての色彩は失われ、王国は冷たい闇に沈む。

成長した白雪姫は城の一室に幽閉されていた。ある日、女王が魔法の鏡に「世界で一番美しいのは誰?」と問うと、鏡は「それは白雪姫です」と答える。嫉妬と脅威に駆られた女王は、手下の男に白雪姫の殺害を命じる。しかし、彼女の優しさを知る男は命令に背き、彼女を森の奥深くへと逃がす。

森で追手に追われ、絶体絶命の白雪姫を救ったのは、一人の腕利きの狩人だった。彼こそ、王国の内情を探るため潜入していた、隣国の王子ジョナサンその人であった。彼は身分を偽り、成り行きで彼女と行動を共にすることになる。

やがて二人は、女王に抵抗する「七人の仲間」に合流する。王国の惨状を目の当たりにした白雪姫は、父の愛した王国を取り戻すことを固く決意。彼女はレジスタンスの象徴となり、ジョナサンはスパイとしてその懐に深く入り込んでいく。

第二幕:反乱と「真実のリンゴ」

白雪姫とジョナサンのリーダーシップのもと、レジスタンスは民衆の希望の星となっていく。その報せは女王の元にも届いていた。だが、彼女が魔法の鏡に問いかけたのは、白雪姫の居場所ではなかった。 「鏡よ、鏡。我が国に潜み、私の秩序を乱す最大の脅威は誰だ?」 鏡は、レジスタンスと共にいる白雪姫ではなく、その隣で彼女を見つめる狩人――ジョナサンの姿を映し出した。鏡は彼の瞳の奥に、北の大国の紋章を幻視させる。

女王はすべてを悟った。「あの愚かな娘は、敵国の犬に誑かされておる。このままでは、王国そのものが内から食い破られる…」彼女の胸に宿ったのは、嫉妬や殺意とは異なる、冷たい決意だった。「我が手で、あの娘の甘い夢を覚まさせてやらねば」

女王は禁断の黒魔術で、腰の曲がった醜い老婆に姿を変える。それは彼女が最も忌み嫌う姿。だが、王国を守るため、正体が見破られてしまうことだけは避けたい。

嵐の夜、白雪姫が仲間と離れ、一人で物思いに耽っていると、その老婆が雷光の中に現れた。 「王女よ」 その静かな声に、白雪姫は驚く。「いったい誰?」 「お前に真実を告げに来た者だ」と老婆は言う。「お前は騙されている。お前が信じる狩人、ジョナサンと名乗る男は、王国を食い物にする敵国のスパイだ」

白雪姫は一笑に付す。「何をおっしゃるのでしょう。彼は命懸けで私と民を守ってくれている。あなたこそ、女王が差し向けた悪魔に違いない!」 「愚かよのう…」老婆は嘆息し、懐から一つのリンゴを取り出す。それは宝石のように赤く、どこか神々しい光を放っていた。「ならば、古のやり方で真実を明らかにしようではないか」

老婆は告げる。「これは王国に最初の王が植えたという『真実のリンゴ』。嘘を偽りを口にした者がこれを食べれば、その魂は真実の重みに耐えきれず、永遠の眠りにつく」 彼女はリンゴをナイフで正確に半分に切り、片方を白雪姫に差し出した。

「さあ、賭けをしよう、小娘。私は『ジョナサンはスパイだ』と言ってこれを食べる。お前は『ジョナサンはスパイではない』と言って食べるのだ。どちらが真実か、その身で示してみせよ!」

その時、異変に気付いたジョナサンと仲間たちが駆けつける。だが、二人の周りには見えない魔力の壁が立ち塞がり、彼らは声も届かぬまま、その光景を見つめることしかできない。

女王は、ジョナサンを一瞥し、嘲るように言った。「ジョナサンは、敵国のスパイだ」。そして、リンゴの半分をゆっくりと口にし、咀嚼する。何も起こらない。

白雪姫の顔から血の気が引く。だが、白雪姫は仲間たちと民の顔を思い浮かべ、そして何より、ジョナサンと過ごした日々を信じたかった。彼女は瞳に強い意志を宿し、きっぱりと言い放つ。

「ジョナサンは、スパイではない!」

そして、リンゴのもう半分を、迷いなく口にした。

一瞬の静寂。 次の瞬間、白雪姫の体から力が抜け、彼女はまるで糸の切れた人形のように、その場にゆっくりと崩れ落ちる。そして、深い、深い眠りについた。

第三幕:目覚めと玉座

仲間たちは白雪姫をガラスの棺に安置する。指導者を失ったレジスタンスは絶望し、崩壊寸前となる。

その時、ジョナサンが立ち上がる。彼は自らの正体を明かし、仲間たちに深く頭を下げた。「私は敵国の王子だ。だが、白雪姫は私に人の道を教えてくれた。彼女を救い、女王を倒し、我が国とは必ず和平を結んでみせる」彼の覚悟と誠意が、仲間たちの心を再び一つにする。

ジョナサンは改めて白雪姫の棺と向き合う。その贖罪の言葉が涙と共に頬を伝い、白雪姫の唇に落ちた瞬間、奇跡が起こる。白雪姫の瞳がゆっくりと開いた。

時を同じくして、女王は城の塔に登り王国全土を見つめていた。しかし、ジョナサンがスパイではなくなった今、眠りにつくのは女王の方だ。バランスを崩した女王は塔から真っ逆さまに落ちていった。真っ赤なリンゴのような夕日だけがそれを見ていた。

かくして王国はもとの光を取り戻し、白雪姫と王子はいつまでも幸せに暮らしました。めでたしめでたし。